雨の音は記憶に触れていたい
影も感触も呼び起こすから
翳る君の瞳が忘れない雨音と
忍ぶ影、首筋の傷

何度も声を枯らした
冷たい雨の中で
闇より深いその悲しみに
僕が今触れられるのなら
たとえこの両手が痛んでも
僅か照らす光でいさせて
赤い傘はあの日に捨ててきたよ
次の雨は僕が傘を差すから
声も出せず震える君の目にこれ以上
悲しみが満ちないように

消えない傷を隠した
冷たい笑みよ溶けて
振り返れば今も暗い影が
視界を覆い隠すけれど
悲しみの欠片のひとつさえ
この両手で消してみせるから
柔らかな光に包まれて
眠る君を見つめながら
零れた涙の意味よりも
君を守りたいよ

世界が壊れても繋いだ手は
二度と離しはしないから
全てを差し出して願うのは
二人の未来に光あるようにと
冷たい雨の中で

Composição: