すっかりのりなれたフライトで
きょうこそおちてくれないだろうかと
ほうずえついてくもをながめる
はなしおあとなんどしよう

だれかをいいまかすためのきかいを
なにかにつけねらっていたくらしも
いまだにふるくなっちゃくれない

やさしくしてくれたあのこにまでも
どうせこころのなかじゃ、なんてことを
おもってしまったのもついさいきんではあるけれど

こゆびにまいたばんそうこうがみえるようにと
ちかづいたばっかりに
ほんとうはなかったきずがほしくなる

しゃれっけにかけていたなまへんじを
きらってくれとまではいえないけど

さらっていったみらいに
そうかそうかとうなずいて
あるいたちじょうでのこと

あああ

とべないとりになっていた
ふらりさまよったまま
そらからじゃみられないながめがあるんだと
ことばへおとしこんでさいご
うそにかわってもね
ただそれとなくつたわるものがあればいい

ぼんやりむずかしくおもうことも
それなりにいとしくなれることを
しってかしらでかわった
ふりばかりがうまいひとを

あざけたことはないといったものの
いみもなくけらけらとわらうぼくを
いいあらわせたもじがほしくなる

だまっていればだれかがくちをひらくもの
すわってまっていましょう
おちゃをのみながらでも
くるっちまったじだいよさらば
おさきにどうぞとしずかにいったあと

あああ

およげないさかなになっていた
ひとりこわばったまま
みなもにゆがんだじぶんのすがたを
きおくへおとしこんでだれもわるくないんだってね
ただいちどだけおもわせるものがあればいい

だれのせいだろう
ぼくのせいかも
いや、きっとあいつのせいだのと
くらくなるそと
はりつめるばしょ
くりだすひとりぶんのおと

あなたにわからないだろうけど
ことばじりにはそういいすててやろう
でもああもういつまでたっても
すくわれないうたよ

あるはずがなくなっていた
ゆらりたゆたったまま
よるべなくすがっていたはずだったのに
おもいをさかのぼって
みたっておもいだせないね
それがはなからあったものなのかすら

とべないとりになっていた
ふらりさまよったまま
そらからじゃみられないながめがあるんだと
ことばへおとしこんでさいご
うそにかわってもね
ただそれとなくつたわるものがあればいい

Composição: Hayashida